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AIで動画を作る時代に、動画制作会社はどう考えているか
制作の考え方

AIで動画を作る時代に、動画制作会社はどう考えているか

「動画もAIで作れる時代って、制作会社としてはどう思ってるんですか?」

最近、お客様との打ち合わせで何度かこの質問をいただくようになりました。

正直に言うと、賛成も反対もしていない というのが私たちのスタンスです。AIで動画を作ること自体は全然ありだと思っているし、実際に私たちも現場でかなり使っています。ただ、どこに使うかで結果が全然変わる んですよね。今回は、動画制作会社の代表として「AI×動画」の現在地をどう見ているか、率直に書いてみます。

「AIっぽさ」にはすぐ気づかれる。だから使いどころを選ぶ

最初に正直に触れておきたいのがこの話です。

ここは 画像(静止画)と映像(動画)で状況がかなり違います

AI生成の画像は、正直かなりのレベルまで来ています。インサートカットやイメージ素材としては、用途を選べばもう十分に使えるクオリティです。一方で、AI生成の映像(動画)の方は、まだ見る人が見ればわかる んですよね。物理法則がおかしかったり、人物の動きに不自然さが残ったり。AI系のツールを日常的に触っている人であれば、「あ、これAI動画だな」と気づけるレベルです。

だからこそ、AI生成をどこに使うか の判断がすごく大事になってきます。

メインの出演者をAI人物に置き換える、ブランディング動画の全カットをAI映像で生成する…。これをやってしまうと、企業としての信頼感に傷がつくリスクがある。一方で、ちゃんと役割を限定して使えば、クオリティとコストのバランスを取る強力な手段 になります。

要は「全部AIか、全部人力か」の二択ではなくて、適材適所で混ぜる のが一番うまくいくなという感覚です。

動画制作の現場で、実際にAIを使っている場面

では具体的にどこで使っているのか。私たちの現場で実際に動いているものを、そのまま書きます。

素材画像の調達が、AI生成に置き換わり始めている

一番わかりやすい変化がこれです。

以前は、動画の中に挟むインサートカットやイメージ映像用の素材を、ストックフォトのサイトで購入する のが当たり前でした。1枚数百円〜数千円、動画1本で5〜10枚使えば、素材費だけで結構かかる。しかも、ぴったりハマる素材がいつも見つかるとは限りません。

今は、AIの画像生成でイメージ通りの素材を作れる ケースがかなり増えてきています。「こういう雰囲気の風景」「こういう抽象的なイメージカット」を、テキストで指示するだけで出力できる。完璧ではないけれど、インサートやイメージ映像としては十分に使えるクオリティに到達しています。

ここが素材購入からAI生成に移行しているのは、コスト削減という意味だけでなく、表現の自由度が上がった という意味でも大きな変化です。「この素材しかないから、この画で妥協する」ということが減ったんですよね。

台本づくりが変わった — 「そうそう、これが言いたかった」を引き出せる

個人的に一番「AIいいな」と感じているのが、この台本作りの場面です。

動画の台本を作る時、当然ですが 出演する方ご本人の言葉 がすごく大事なんですよね。経営者の想い、現場の人の実感、お客様への思い入れ。これを言語化して台本に落とし込む作業は、動画制作の中でも相当にカロリーを使うプロセスです。

特に、話すのがあまり得意ではない方 の場合、今まではディレクターがかなりの時間をかけてヒアリングし、何度もやり取りしながら言葉を引き出す必要がありました。正直、ディレクション費用にその分を上乗せしていただかないと回らないケースもあった。

ここにAIが入ったことで、効率が劇的に変わりました

例えば、ご本人に30分ほど自由に話していただいた音声をAIで文字起こしして、そこから骨格を整理する。すると、ご本人が「そうそう、これが言いたかったんだよね」とすぐに腹落ちしてくれる。今までなら3回の打ち合わせが必要だったものが、1回で核心に到達できたりする。

喋る側にとっても達成感がある んですよね。自分の言葉がきれいに構造化されて返ってくるので、「自分ってこういうことを伝えたかったんだ」という発見になる。これはAIがなければ難しかった体験だと思います。

説明資料やテロップの「一発出し」が想像以上に使える

もう一つ、ここ最近で実感しているのが、説明用のテロップや資料のドラフトをAIで一発出しする という使い方です。

動画の中に入れる図解やフロー図、比較表みたいなものって、今までデザイナーが都度作っていたんですよね。もちろん、ブランディング動画や作り込む案件では今後もそうしていきますが、「とにかくわかりやすさに特化したい」という用途 では、AIで出したポン出しでもそのまま使えるレベルになってきています。

デザインの美しさにこだわるフェーズではなく、情報をパッと伝える仕様書的なもの であれば十分。このあたりは今後もっと一般的になっていくだろうなという感覚です。

データ分析とマーケティングのスピードが段違い

もう一つの大きな変化は、マーケティング的な目線でのデータ分析 です。

例えば、YouTube動画を配信しているクライアントの場合、「どのテーマの動画が伸びているか」「どのキーワードで検索されているか」「競合チャンネルはどんなコンテンツで成長しているか」といった分析を、かなりのスピードで回せるようになりました。

例えば、競合チャンネル10本分のコンテンツ傾向分析。以前なら1本ずつ動画を確認して、テーマ・再生数・コメントの反応を手作業でまとめるのに数日かかっていたものが、半日で全体像を俯瞰できる ようになった。これはお客様にとっても大きいメリットで、次の一手を打つまでの時間が格段に短くなります。動画を作る前の戦略設計と、作った後の振り返り。この両方でAIが力を発揮しています。

このスピード感は、動画制作会社に限った話ではなく、どの業種でも同じ だと思います。AIを使いこなしてスピードを上げ、その分のリソースをクオリティに振り向ける。この考え方は、今どの企業にも共通しているはずです。

それでも「全部AI」にはしない理由

「じゃあ今後全部AIでよくなるのか?」という点ですが、正直、まだ全然そうはならない と思っています。

確かに、2026年以降もAIの動画生成はさらに進化するでしょう。部分的に置き換わる領域は確実に広がっていきます。

実際、つい最近の話で言うと、OpenAIのSora(AIだけで動画を生成するサービス)が2026年3月に提供終了を発表しました。「AIで動画を全部作れる時代が来た」と期待された象徴的なサービスでしたが、計算コストの持続が難しく、結局サービスとして成立しなかった。これは「全部AIで完結する」ことの難しさを、市場が証明した出来事だったと思います。

ただ、高品質な映像を作ろうと思った時に、AIだけでは到達できない領域 はまだまだ大きいんですよね。

  • 出演者の「間」や「表情の機微」はAIで再現できない
  • ブランドの世界観に合った微妙な色味やライティングの調整は、人の目が必要
  • 現場で生まれる予定外の良いカットは、AIには拾えない
  • そもそも「何を撮るか」の企画・構成は、お客様のビジネスを深く理解しないと出てこない

AIは素晴らしいツールだけれど、道具であって主役ではない 。私たちの仕事は、AIを使いこなしつつ、最終的には人の判断で仕上げる。この「組み合わせ」が、スピードとクオリティを両立させる一番ベストな形だと思っています。

AIの時代だからこそ、「誰が話しているか」が重要になる

最後にもう一つ、個人的にすごく強く感じていることがあります。

情報そのものは、もうAIで誰でも取れる時代 なんですよね。同じ業界の知識、同じマーケティングのフレームワーク、同じような構成の台本。AIに聞けば、ある程度のクオリティで誰でもアウトプットできてしまう。

だからこそ逆に、「その情報を誰が発信しているのか」「誰の口から語られているのか」 がものすごく重要になってくると思っています。

経営者が自分の言葉で語るブランディング動画。現場の社員が本音で話す採用動画。お客様の声をそのまま伝える事例動画。これらは AIでは絶対に代替できない「その人にしかない説得力」 を持っています。

情報の中身は同じでも、誰が話しているかで、受け手の信頼感はまったく変わる。これは動画に限った話ではなくて、SNSでもブログでも営業でも同じですが、特に動画は「顔」と「声」が伝わるメディアなので、差がはっきり出ます。

AI時代に生き残るのは、「人と人とのつながり」を大事にできる発信者だと思っている。

映心動が動画を作る時に大切にしているのは、結局ここなんですよね。AIを使うことと、人の価値を信じること。この2つは矛盾しない。むしろ、AIに任せられるところはどんどん任せて、人にしかできないことに集中する 。それが、私たちが考えるAI時代の動画制作の在り方です。


「AIを使った動画制作に興味があるけど、どこから手をつければいいかわからない」と感じたら、お問い合わせフォーム からお気軽にご相談ください。初回のご相談・お見積りは無料です。映心動では、ビジネスの動線から逆算した動画設計 をご提案しています。

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