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「こんな動画作りたい」と言われた時、最初に質問することは決めている
制作の考え方

「こんな動画作りたい」と言われた時、最初に質問することは決めている

「こんな動画を作りたいんです」

依頼の最初に、お客様はだいたいこの言葉から話し始めてくれます。参考動画のリンクが添えられていたり、「こういう雰囲気で」と細かく語ってくれたり、すでに頭の中に完成形がある方も少なくありません。

ですが、私たちが その話を一通り伺った後で、必ず最初に投げ返す質問 が決まっているんですよね。

「その動画、どこで・誰に・何のために使う予定ですか?」

正直、地味な質問に見えるかもしれません。でもこの一問を最初に挟むかどうかで、完成後に「思っていたのと違う」が起きるかどうかが、本当に大きく変わります。今回は、なぜこの質問を一番最初に置いているのか、その理由を書きます。

「作りたい動画」と「使いたい場面」がズレている人は、たまにいる

率直に言うと、作りたい動画と使いたい場面が最初からズレている方 は、たまにいらっしゃいます。

別に悪いことではありません。「動画」というのは普段あまり扱わない領域なので、参考にした動画の表現と、自社の使い方が噛み合うかどうかを判断するのは難しいんですよね。だからこそ、最初に擦り合わせる必要があります。

例えば、こんなご相談をいただくことがあります。

「言葉を使わない、雰囲気重視のイメージ動画を作りたいです」

イメージ動画という選択自体は、もちろんアリです。世界観を一気に伝える力があるし、ハマった時の効果はめっちゃ大きい。

ですが、イメージ動画は諸刃の剣 でもあるんです。

イメージ動画は「受け手によって解釈が変わる」

言葉を使わない映像は、観た人の経験や前提によって、伝わるものが変わります。

これが大手企業の動画なら、ほぼ問題になりません。理由は単純で、そもそもブランドへの認知や信頼がベースにある からです。視聴者は「あの会社が出している映像だから、こういう意味だろう」と補完して観てくれます。

一方で、まだ世の中に広く知られていない企業がイメージ動画だけで勝負しようとすると、意図したイメージが正しく届かない ことが起きます。

  • 「カッコよかったけど、結局何の会社かわからなかった」
  • 「雰囲気はいいけど、どんなサービスか伝わらなかった」
  • 「綺麗だったけど、自社に合うか判断できなかった」

そして一番もったいないのが、お客様(発注主)の取引先や顧客に見せたい という用途でイメージ動画を選んでしまうケースです。先方が動画から自社のイメージを「正しく」読み取ってくれる保証は、残念ながらどこにもありません。

例えば、不動産会社さんが「物件の世界観をイメージ動画で伝えたい」とおっしゃることがあります。雰囲気は確かに伝わるんですが、現地内見の前に観てもらう動画なのか、契約後のフォロー動画なのか、SNS広告で初対面の人に観てもらうものなのかで、答えは全部違ってきます。エステサロンさんでも「空間の心地よさを伝えたい」というご相談があるんですが、公式サイトで観るお客さんと、Instagram広告で初めて触れるお客さんでは、必要な情報量が全然違うんですよね。

だから「最低限の提案」は必ずする

こういう時に、私たちは押し付けではなく、選択肢としての提案 を必ずお伝えするようにしています。

例:ナレーションを「足すだけ」でも全然違う

完全な無音のイメージ動画ではなく、要所にナレーションを一言入れるだけでも、伝わり方は大きく変わります。

  • 「私たちは、◯◯の会社です」
  • 「この技術が、お客様の課題を解決します」
  • 「30年の現場で培った、職人の手仕事です」

たったこれだけで、受け手の解釈の幅が一気に絞られます。世界観は壊さず、しかし芯は伝わる。ナレーションは「言葉で殴る」ためのものではなく、観た人の解釈を導くための補助線 だと思っています。

「誰が話すか」も同じくらい大事

ナレーションを入れると決まったら、次に擦り合わせるのは 「誰の声で話すか」 です。

  • プロのナレーター(男性 / 女性)
  • 起用するモデル
  • 社長本人
  • 現場で働く社員

このどれを選ぶかで、動画の印象はがらりと変わります。

話し手 与える印象
プロのナレーター(男性) 信頼感・落ち着き・公的な雰囲気
プロのナレーター(女性) 親しみやすさ・柔らかさ・寄り添い
社長本人 熱量・覚悟・経営者としての顔
現場社員 リアリティ・等身大・仕事の手触り

「どういう印象を与えたいか」が決まれば、自然に話し手の答えも決まります。逆に、ここを決めずにスタートすると、撮影直前に「やっぱり社長で…いや社員で…」と迷走することになります。

もちろん、お客様の中で 「これがいい」と最初から決まっている場合は、その判断を尊重します。私たちが主導権を握りたいわけではありません。ただ、こちら側として最低限の選択肢は必ず提示する 。これは映心動の制作スタンスとして徹底しています。

ブランディングの一貫性まで含めて、最初に確認する

動画の用途と話し手が決まったら、次に確認するのは ブランディングの一貫性 です。

これは正直、他社の動画を観ていて「もったいないな」と感じることが本当に多い領域です。

よく見かける「もったいないパターン」

  • イケイケで攻めた事業をやっている会社なのに、おしとやかなBGMゆったりした明朝体 を使っている
  • 逆に上品な高級志向の会社なのに、ごつくて重たいフォント を選んでいて、肝心のメッセージが入ってこない
  • 言っていることはすごくいいのに、色使いがちぐはぐ で、せっかくの内容が薄まっている
  • そして一番多いのが、やかましいBGM。情報が頭に入ってこない

どれも、ブランディングの軸が決まっていないまま、なんとなく素材を当てはめている から起きてしまう。一つひとつの素材の良し悪し以前に、会社の人格と動画の表現が噛み合っていない 状態です。

「このフォント、カッコいいから使おう」 「このBGM、無料で使えるから入れとこう」 「この色、最近よく見るから採用しよう」

それぞれの選択は悪くないのに、組み合わさると 「で、この会社って結局どういう会社?」 という違和感を生んでしまう。

最初にブランディングを擦り合わせる理由

だから私たちは、動画の中身に入る前に、その会社の「人格」を一緒に言語化する時間 を取ります。

  • 強気で押すブランドなのか、寄り添うブランドなのか
  • 老舗の重みを伝えたいのか、若い勢いを伝えたいのか
  • 経営者の顔で売る会社なのか、組織で売る会社なのか

ここが言語化されると、自然と 使うべきBGM・フォント・色・テロップの出し方・編集のテンポ まで決まってきます。逆にここを飛ばすと、後工程で「なんか違うんだよなぁ」が必ず発生します。

動画は「単体」ではなく「ビジネスの動線の中の一部品」

ここまで読んでいただくとなんとなく伝わるかもしれませんが、私たちが最初の質問にこだわる一番の理由は、結局これに尽きます。

動画は単体で勝負するものではなく、ビジネスの動線の中の一部品である。

同じ会社の同じテーマの動画でも、

  • 公式サイトのファーストビュー に置く動画
  • 営業担当者がタブレットで見せる 動画
  • YouTube広告 で初対面の人に観てもらう動画
  • 既存顧客向けのメルマガ に貼る動画
  • 採用ページ で求職者に観てもらう動画

これは全部、撮るべきものが違います。秒数も、構成も、ナレーションの有無も、サムネの作り方も、全部違ってきます。

正直に言うと、ここまで分けて考える動画制作会社さんは、そんなに多くありません。「とりあえずカッコいい動画を1本作る」で終わってしまうことが多い。でもそれだと、せっかく予算をかけて作った動画が どこにも刺さらない という事態が起きてしまいます。

私たちが最初に「どこで・誰に・何のために」を聞くのは、動画そのものの話をしたいからではなくて、お客様のビジネスの動線のどこに、どういう役割で動画を置きたいのか を一緒に整理したいからなんです。

逆に言うと、ここさえ揃えば、「じゃあ撮影はこのぐらいの時間で大丈夫」「ナレーションは不要」「もっと安く、別の手段で十分」といった、お客様にとって一番得になる答えが自然と出てきます。動画を売りたいから動画を勧める、ではないんですよね。

最初の30分が、動画の8割を決める

ここまで書いてきた内容を要約すると、結局こういうことです。

動画は撮影で決まるのではなく、一番最初のヒアリングで8割が決まる。

参考動画を見せ合って「カッコいいですね」で盛り上がる前に、たった3つの質問を最初に置く。

  1. どこで使いますか?(公式サイト・営業の場・SNS広告・YouTube・店頭・院内)
  2. 誰に見せますか?(初対面の見込み顧客・検討中のお客様・既存顧客・求職者)
  3. 見終わった後、相手にどう動いてほしいですか?(問い合わせ・来店予約・資料請求・応募・継続)

この3つに答えられない状態で動画を作り始めると、ほぼ確実に「思っていたのと違う」が発生します。逆にここさえブレなければ、表現の選び方は後からいくらでも調整できます。

「こんな動画作りたい」という言葉を、そのまま受け取って作り始めるのではなく、その言葉の裏側にある「なぜ」と「どこで」を最初に拾いに行く。私たちが映心動として動画制作で一番大事にしているのは、結局この最初の数十分なのかもしれません。

派手なテクニックでも、特殊な機材でもなく、最初に一緒に座って、ビジネスの動線を一緒に整理する時間 。地味ですが、これを丁寧にやるかどうかで、3ヶ月後・半年後にその動画が「使えるもの」になっているかどうかが決まります。私たちが信じているのは、結局そういう地味な部分なんですよね。


「うちの場合、どこから整理し始めたらいいんだろう?」と感じたら、まずは お問い合わせフォーム からお気軽にご相談ください。初回のご相談・お見積りは無料です。私たちは「すぐ見積書」ではなく、まず あなたの動画の "目的"ビジネス全体の動線 から一緒に整理させていただきます。

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